毎日の体験を記す場所

東京新聞(中日新聞東京本社)社会部記者の小川慎一です。原発取材班。取り調べは全面可視化、検察官は証拠リストを開示すべき。金に余裕があるならクール寄付。"All sorrows can be borne if you put them into a story or tell a story about them." Isak Dinesen(どんな悲しみも、それを物語にするか、それについて物語るならば、耐えられる)

「?」なことは補足するか、書かない

 記事を書いた後、自分の文章に「?」と思うようなことがあるなら補足して疑問を解消すべきだ。書いた本人が分からないことを、読者が理解できるだろうか。できると考えるなら、記者に向いてないと思う。取材資料やメモを見返しても「?」が消えない場合は再取材するか、時間がなければ「書かない」ことを選択する必要もある。締め切りがある。

 岐阜新聞「県『セカイカメラ』の1万件公開 観光情報、活用自由に」という記事を見てみる。まずリード。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140111/201401110932_21734.shtml

 県は10日、スマートフォン用アプリケーション「セカイカメラ」に登録した観光などの情報約1万件を自由に利用できるように、オープンデータ化する方針を固めた。国は、行政が持つ膨大な公共データを公開、民間に活用を促すことで、経済活性化を図ろうとオープンデータを積極的に進めており、県内での本格的な取り組みとしては第1号となる。

 「自由にできるよう」、「オープンデータ化」。。。だぶり感漂う。記事のリードには、公開するとどんな利点があるのかを書くべきだろう。「県は~」の後に、「国は~」という書き方も変えたい。「第1号」という、この場合は割とどうでもいいことが書いてある。良くない。ここでは、「県は●する。それは●な利点がある」と書きたい。利点は何だろうか。第4段落目にこうある。

 データには、それぞれの位置情報が含まれているため、利用価値が高く、新たなビジネスやサービスにつなげる動きが出てきそう。データは二次利用しやすい形式になっている。県情報産業課は「1万件もの情報があるので、観光分野などで有効に利用、活用してもらいたい」と話している。20日にセミナーを開き、活用策を探る。

 データに位置情報が含まれていると、なぜ利用価値が高く、新たなサービスにつながる動きが予想されるのか。分からない。が、ほかの箇所を読んでも疑問は解消できない。どうしようもない。20日に活用策を考えるためのセミナーを開くらしいので、そこを生かそう。ということで、次のようにした。

直しリード> 県は、スマートフォン用アプリケーション「セカイカメラ」に登録した観光案内などの情報約1万件を、民間(企業)が自由に利用できるようにする。20日に活用策を探るセミナーを開く。

 これぐらいのリードで十分なのではないかと思う。全体を直してみた。200字ほど、行数でいうと20行以上削った。元記事にある「エアタグ」「サーバー」「ポータルサイト」といった言葉は使わなかった。

直し全文> 県は、スマートフォン用アプリケーション「セカイカメラ」に登録した観光案内などの情報約1万件を、民間企業が自由に利用できるようにする。20日に活用策を探るセミナーを開く。

 セカイカメラは、観光地でスマホのカメラをかざすと、実際の景色が映った画面上に観光名所や飲食店などの情報を次々と紹介する。例えば、「徳川家康最後陣跡」(関ケ原町)では、家康の説明や陣旗を表示する。ソフトピアジャパン(大垣市)の入居企業が開発した。

 セカイカメラのサービスが今月22日に終了するため、県は市町村から提供を受けた情報に基づく登録データの公開を決めた。

 データは観光地の位置を示す情報が含まれ、二次利用しやすい形式。県情報産業課は「観光分野などで有効に利用、活用してもらいたい」と話している。

 国は行政が持つ膨大な公共データを公開し、民間活用を促す「オープンデータ」を進めており、県も提供体制を整える。

元記事はこちら。

 

 県は10日、スマートフォン用アプリケーション「セカイカメラ」に登録した観光などの情報約1万件を自由に利用できるように、オープンデータ化する方針を固めた。国は、行政が持つ膨大な公共データを公開、民間に活用を促すことで、経済活性化を図ろうとオープンデータを積極的に進めており、県内での本格的な取り組みとしては第1号となる。

 セカイカメラは、観光地などでスマホのカメラをかざすと、実際の景色が映った画面上に観光名所や飲食店などに関する仮想案内板「エアタグ」が次々と表示されるアプリ。例えば「徳川家康最後陣跡」(不破郡関ケ原町)で端末をかざすと、家康の紹介や陣旗などが表示される。ソフトピアジャパン(大垣市)の入居企業が開発した。

 県は市町村から情報の提供を受け、エアタグを登録していた。セカイカメラのサービスが今月22日に終了するのに伴い、登録サーバーから県に移したエアタグのデータを公開することにした。

 データには、それぞれの位置情報が含まれているため、利用価値が高く、新たなビジネスやサービスにつなげる動きが出てきそう。データは二次利用しやすい形式になっている。県情報産業課は「1万件もの情報があるので、観光分野などで有効に利用、活用してもらいたい」と話している。20日にセミナーを開き、活用策を探る。

 県はオープンデータを推進する構え。ポータルサイトを開設し、データの提供体制を整える方針を示している。 

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