新聞協会賞を2年連続で受賞したことがある毎日新聞の大治朋子さんの本「アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地」(講談社現代新書)から長いが引用。新聞が生き残るために、記者は何を考え、何をしたらよいのだろうか。
現場で長く記者をしているとつい「他社に新聞紙上の報道で負けたくない」「ネット上での報道は二の次だ」と思ってしまう。自分たちの新聞のキラー・コンテンツは何か、どんな情報を読者は「お金を出しても欲しい」と思っているのか。記者として、ほとんど考えたことすらなかった。そしてネット上での記事掲載や有料化は、技術的に詳しい人に任せておこう、という及び腰。そんな意識のままでいたが、それではもう立ち行かないところまで来ている。編集局にいる記者が、現場で取材する記者が、頭のどこかに常にビジネスの側面、インターネット上に効果的に掲示するための手法を考えるスペースを保ち続けていなければならない。そうした一人ひとりの取り組みこそがジャーナリズムのあり方を変え、より現状に即した「商品」を作り上げていくのだと。(71ページ)
アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地 (講談社現代新書)
- 作者: 大治朋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/10/25
- メディア: Kindle版
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