毎日の体験を記す場所

東京新聞(中日新聞東京本社)社会部デスクの小川慎一です。原発取材班にいました。取り調べは全面可視化、検察官は証拠リストを開示すべき。金に余裕があるならクール寄付。"All sorrows can be borne if you put them into a story or tell a story about them." Isak Dinesen(どんな悲しみも、それを物語にするか、それについて物語るならば、耐えられる)

「ビジネス」を意識すること

 新聞協会賞を2年連続で受賞したことがある毎日新聞の大治朋子さんの本「アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地」(講談社現代新書)から長いが引用。新聞が生き残るために、記者は何を考え、何をしたらよいのだろうか。

現場で長く記者をしているとつい「他社に新聞紙上の報道で負けたくない」「ネット上での報道は二の次だ」と思ってしまう。自分たちの新聞のキラー・コンテンツは何か、どんな情報を読者は「お金を出しても欲しい」と思っているのか。記者として、ほとんど考えたことすらなかった。そしてネット上での記事掲載や有料化は、技術的に詳しい人に任せておこう、という及び腰。そんな意識のままでいたが、それではもう立ち行かないところまで来ている。編集局にいる記者が、現場で取材する記者が、頭のどこかに常にビジネスの側面、インターネット上に効果的に掲示するための手法を考えるスペースを保ち続けていなければならない。そうした一人ひとりの取り組みこそがジャーナリズムのあり方を変え、より現状に即した「商品」を作り上げていくのだと。(71ページ)