読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

毎日の体験を記す場所

東京新聞(中日新聞東京本社)社会部記者の小川慎一です。原発取材班。取り調べは全面可視化、検察官は証拠リストを開示すべき。金に余裕があるならクール寄付。"All sorrows can be borne if you put them into a story or tell a story about them." Isak Dinesen(どんな悲しみも、それを物語にするか、それについて物語るならば、耐えられる)

不要なことは書かない

 自社他社を問わず、記事を書き直してみるという訓練を再開。いろいろ仕事でストレスが溜まっているということもあるので、記事に文句をつけてプラスになるかもしれない発散の仕方を模索する。いや、単に嫌な奴なんだけど。全然関係ないけど、甲子園開幕の日の新聞に「開会式リハーサル」の記事を掲載するって、本当にやめた方がいい

 今回取り上げるのは中日新聞の三重の記事。

JR名松線で美杉観光を 7日から津市が臨時無料バス:三重:中日新聞(CHUNICHI Web)

 二〇〇九年の台風被害から今春、六年半ぶりに全線復旧したJR名松線で美杉地区を観光で訪れてもらおうと、津市は七日から同線終点の伊勢奥津駅を発着する無料シャトルバスを運行する。行楽シーズンの十一月までの土日を中心とした十五日間運行し、美杉地区の活性化を目指す。

 名松線松阪市と津市の美杉地区を結ぶ全長四三・五キロの単線で、〇九年十月の台風被害で家城-伊勢奥津間の一七・七キロが不通になった。津市と県、JR東海が工事費用を分担し、今年三月二十六日に全線復旧した。

 伊勢奥津駅周辺は、武家の庭園で名高い北畠神社や川上山若宮八幡宮といった名所や木工品や地元の野菜などを購入できる「道の駅美杉」などの観光資源があり、同駅から各地を巡る交通手段の確保が課題だった。

 市は今年のゴールデンウイーク(四月二十九日~五月八日)に民間業者に委託し、無料シャトルバスを一日四往復でテスト運行した。市の調査では利用した二千百六十人のうち六割が名松線に乗ること自体を目的とする鉄道ファンだった。

 美杉地区は八月十一日の「みすぎ夏まつり納涼花火大会」、二十八日に木工体験などが楽しめる「美杉なぁなぁまつり」がある。十一月十一~十三日には北畠神社内の「北畠氏館跡庭園」の夜間ライトアップもあり、市は今後も鉄道ファンのシャトルバスの需要があると判断。運営費約百万円を充てて運行する。

 散策の帰りに道の駅美杉に立ち寄る人が多いため、余裕を持って買い物を楽しんでもらおうと、市はバスの本数を一日七、八往復に増やして対応する。

 一読して思うのは、「台風被害」について記事で触れる必要があるのかということ。台風の被害を受ける前から、観光名所をめぐる交通手段の確保が課題だったのではないだろうか。2段落目に台風で不通になったと書いてあるが、この原稿の趣旨からすると「だから何?」という感じだ。しかも復旧は3月の話でニュースではないし、既報だろう。余計なことを書いて、リードを重くしている。それと肝心のバスの行き先が分からない。あとシャトルバスってわざわざいるかね。「バス」じゃだめなの?ということで、リードはとりあえずこんな感じにした。

 美杉地区をJR名松線で訪れてもらおうと、津市は七日から、終点の伊勢奥津駅と周辺の観光名所を結ぶ無料バスを運行する。行楽シーズンの十一月まで土日を中心に十五日間運行し、美杉地区の活性化を目指す。

 これでも、こなれない。悔しい。記事を何度読んでも、台風被害の段落がまったくもって不要としか思えん。この記事で必要なのは、①バスはどことどこを結ぶのか。②美杉地区のおすすめスポットはどんな所なのか。③なんでバスを運行するのか、の3点。これ以外の話はいらない。新聞は紙面が限られている。書くことは絞ろう。

 

 

広告を非表示にする