ある人の生き様や人生を伝えようとする記事は、事実を簡潔に示していくだけでは不十分だ。読んでもらうための表現の工夫が必要だと思う。特に最初の一文は、気合いを入れて書きたい。産経新聞「ブレーク寸前、奈落の底に! はい上がったミスユニ埼玉代表・薗田杏奈さん 伝えたい『日本人女性の美しさ』」の記事のリードを見てみる。
世界に通用する容姿と内面を兼ね備えた日本女性「ミス・ユニバース・ジャパン」を47都道府県の代表から決めるため、昨年11月、埼玉県でも県代表を選ぶ大会が行われた。350人の応募者から栄冠を手にしたのは、所沢市の保育士、薗田杏奈さん(25)。ファッションモデルや女優として芸能界で活動し、ブレーク寸前に奈落の底にたたき落とされた過去を持つ。円形脱毛症、対人恐怖症、引きこもり…。地獄を乗り越えた彼女は「私の体験を伝えて同じ悩みの女性を救いたい」と立ち上がった。
まず長い。最初の文が「大会が行われた」というのは、ちょっといただけない。工夫したい。例えば、こんな感じはどうだろうか。
<直し案> 円形脱毛症、対人恐怖症、引きこもり-。所沢市の保育士、薗田杏奈さん(25)は苦しみを乗り越え、「ミス・ユニバース・ジャパン」の埼玉県代表となった。華やかな芸能界で、一度は奈落の底にたたき落とされた。それでも、「私の体験を伝えて同じ悩みの女性を救いたい」と立ち上がった。
あまりうまく書けなかった。。。無念。
*記者を目指す人、記者なりたての人は池上彰「わかりやすく<伝える>技術」(講談社現代新書)は必読。こんなにためになる本もそうはない。キンドル版もある。