福島県の現住人口調査結果(22年4月1日時点)のデータを使って、各自治体の現住人口に占める、いわゆる高齢者の割合を図にしてみた。 浪江町では男女間で大きな違いがある。年齢層を三つに分け、男女別で表示されます。
夕焼けがきれいなので本でも読もう
シソンヌのコントはどうにかして生で観たいものだ。
夕焼けがとてもきれいだった。手軽に写真を撮れる時代に感謝しつつ、何か大事なものを失っているような感覚もあるが、それは勘違いであろう。以前あったものに何かしらの希少価値を付けたり、ありがたがったりするのは、なぜなのか。
たまには書店にも足を運ぼうじゃないかと、丸の内の丸善にて立ち読みし、本を買った。老眼鏡なしでは立ち読みすら困難になったのはつらいものである。
中野信子さんが同い年だと知り、ちょっと親近感を抱いた。本郷のどこかですれ違っていたかもしれないなあ。本はインタビュー形式で進んでいて、読みやすい。理系の中野さんの言葉には、なるほどそういうことがあったのかと「へぇー」となることが多い。お薦めの1冊。関連でこの記事も読むといいかなと思う。
よく知らない分野の本を手に取るのは勇気がいる。カタカナが多い本で要警戒なのだが、ボディシェアリングというのはなかなかどうして面白そうな話である。
1日の汚染水発生量の計算式がブラックボックスならば処理水発生量から計算すればいい、という話
福島第一原発で発生が続いている汚染水について、東京電力は4月末に2021年度の1日の平均発生量を130トンと発表した。この件について、東京新聞原発取材班の同僚である小野沢健太記者は「汚染水の発生量をどのように試算しているのか。計算式があるならば示してほしい」と東電に質問と要望をした。ところが広報担当者は即答できず、「計算式についてはわかりやすく説明できるか、検討させてもらいたい」と述べた。どのように算出しているのかも示さないのに、1日130トンになったという結果だけ出してくる。汚染水の発生量についてはその計算過程がブラックボックスで、東電の裁量で増やしたり減らしたりできるのではないか、という疑念が正直消えない。そんなことは、前回も書いた。 ogawa-s.hatenadiary.jp
東電の公表資料を使って2018年度以降の処理水の増加量から「1日当たりの処理水」を算出。これを東電が公表している「1日当たりの汚染水」と比較すると、表の通りになる。21年度は、日々の汚染水の発生量よりも、処理水の発生量が少ない。なぜこういうことが起きているのか、東電に聞いてもよくわからない。ただ、東電が講じてきた建屋への雨水流入を防ぐ対策などの効果が出てきたのは間違いなく、そこは東電の実績である。
東電は汚染水の発生量が減ったことで、保管タンクの満杯時期を「23年春ごろ」から「23年秋ごろ」に見直した。 www.tokyo-np.co.jp
これは21年末に私が東電の公表資料を基に処理水の発生量を計算して、タンク満杯になる時期は「23年9月初めごろ」と指摘したのと同じような結果となった。 www.tokyo-np.co.jp
ということで、汚染水の発生量という東電ブラックボックスに頼らなくても、公表データを基に計算すればいい。22年4月21日時点の保管量に、1日当たりの処理水発生量を足していけば、いつタンクが満杯になるのか目安をつけるのは簡単となる。グラフにすると、下のようになる。1日130トンだと、満杯は「23年12月」。1日100トンにまで抑えることができれば、満杯は「24年6月」にまで伸ばせる。汚染水発生を抑制する対策がうまくいけば、これぐらい伸ばせるのだが、処理水放出を急ぎたい、放出ありきの東電がこういう試算を示すことはない。
福島第一原発で「処理水」は毎日どれくらい発生しているのか?
東京電力福島第一原発では、汚染水の発生が続いている。これは高濃度の放射性物質が含まれている水で、構内で多核種除去設備(ALPS)を使って多くの放射性物質を取り除いている。取り除けないトリチウムを多く含む水は「処理水」としてタンクに保管されている。政府と東電は、この処理水を2023年春ごろから海に放出処分する方針を決めた。この時期の根拠とされているのが、東電が「23年春ごろにタンクが満杯」になるというシミュレーション結果だ。
これは日々、汚染水が150トン発生していることを前提にしている。汚染水の発生量については、東電が独自に計算していてブラックボックスなので、私が検証のしようがない。そこで処理水の発生量について、東電が毎週月曜日に公表している「福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況」を基に調べてみた。
その結果は2021年12月30日に東京新聞にて記事を掲載した。21年は雨が多かったにもかかわらず、処理水の発生量がかなり減っている。 www.tokyo-np.co.jp で、この試算に基づくと、東電がいう「23年春ごろにタンク満杯」ってのはちょっと信じ難い。 www.tokyo-np.co.jp
なぜこういうことになったのか。実は21年になって東電がいう汚染水の発生量よりも、処理水の発生量が減っている。この理由がよくわからないので取材を進めているところ。実際にタンクにたまるペースが落ちているのだから、東電は「23年春ごろ満杯」という想定を見直すべきだろう。ところが、なかなか見直さないし、見直す気がなさそうである。汚染水の発生量抑制対策が進み、処理水が増えるペースが落ちていることは「良いこと」なのに、それを前提としないところに、東電のいやらしさというか、悪質さがあるように思える。
22年1月から5月初旬までの処理水の発生量を、20年と21年の同時期と比較してまとめてみた。雨が少ないこともあり、1日当たりの発生量は100トンを切っている。ちなみにだが、4月14日時点のタンク残り容量を起点にして、昨年並みの1日当たり130トン増えていった場合、満杯になるのは「23年10月中」。春ごろよりも半年ぐらい余裕ができるわけだ。東電が、海洋放出には地元理解が重要というなら、満杯になるまでの期限は延びたと正直にいって話し合えばいい。